べえさあ

ソウルフル・ワールドのべえさあのレビュー・感想・評価

ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)
3.8
“A spark isn’t a soul’s purpose.”
「きらめきは目的ではない」

「人生に意味などないがそれを受け入れて生きていくことが大切」と主張する哲学者のアルベール・カミュの思想にインスピレーションを受けて作られた本作。

耐えられないほどの苦しみを経験し、人生に失望しているとき、人生に意味なんてあるのだろうかと考えたことが誰にでも一度はあると思う。本作が伝えているように、たしかに一人一人の人生に決められた目的なんてものはなくて、死ぬ時まで今の連続を生きるだけなのかもしれない。

登場人物が気づいたように、一瞬一瞬を常に大切に生きることが幸せへの鍵なのだろう。とはいえ人生は楽しいことばかりではないため、心が折れそうな時は周囲や自分に今あるものをよくみて噛みしめることが重要なのだと思う。その時に今まで軽んじていた人生の一部が、実は自分の人生を美しく尊いものにしてくれていた掛け替えのない一部であることに気づき、自分を受け入れやすくしてくれる。少しずつでもプラスのマインドにうまく切り替えながら今をやめないことが大切。

人生という深いテーマは大人向けかもしれないが、子供も楽しめるように作られていて、現実を堪能するための感度を上げてくれる作品!