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ソウルフル・ワールドのmiimのレビュー・感想・評価

ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)
4.5
人生を考えた時、私たちはつい特別な大きな出来事ばかりに目を向けてしまう。
だけど本当に生きる力になるのは日々のささやかな喜びだったりする。見上げた空が美しかったとか、ご飯が美味しかったとか、大切な人との時間だとか。

この作品で一番感動したのは、ささやかなきらめきのシーンから街全体、国全体、地球へと俯瞰していくシーン。ささやかだけど尊いきらめき。それを何千、何万、何億の人々が心の中に宿して生きている。実はこの世界はきらめきに満ちているのだ。
生まれたくなかった22番も、体を持ったことでそんなきらめきを感じたのだろう。

ジョーはずっと夢見てきたプロのミュージシャンになる事ができた。だけどそれ自体は実は重要じゃない。
ジョーにとってはずっと音楽が生きる意味できらめきだった。だけど本当は音楽だけじゃ無くて、もっともっとたくさんの尊い瞬間があって、だからこそ音楽がより一層きらめいて見えていたんだと思う。
そんな人生のきらめきに気がつけたジョーなら、これからも一瞬一瞬の喜びを重ねて生きていけるんだろう。
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