さしみ

ソウルフル・ワールドのさしみのレビュー・感想・評価

ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)
4.2
『人生のきらめきとは』

NYの人気のジャズ・クラブでピアニストとしてステージに立つチャンスを手に入れた音楽教師のジョー。
あまりの嬉しさに浮かれ歩き、開いていたマンホールに落ちてしまいます。
気付いた時は不思議な魂の世界=ソウルフル・ワールドにいました。
ジョーは水色の小さな丸いフォルムになり“ユーセミナー”に導かれ……
そこでジョーは数100年も魂の世界に居続けるソウルナンバー22番のメンター(きらめきを見つける役目)になります。人生の素晴らしさを伝えて“バッジ(通行証)”を完成させれば元の世界に戻れるのですが、この22番がなかなかのひねくれ者できらめきを見つける事が出来ません。
過去22番のメンターは誰もが知る有名な偉人達ばかりで、手強い問題児を押し付けられた感がありました。
せっかく掴んだチャンスだったのに、ジョーは夜のステージまでに元の世界に22番と共に戻れるのでしょうか。

魂の世界にはこれから生まれるソウル達がたくさん。丸い柔らかそうなボールみたいで『君たちはどう生きるか』のワラワラに似てました。
22番は自己肯定感がとにかく低く何にも興味を持てないキャラでしたがその存在は決して異質なものではなくもちろん我儘でもないのです。
強い信念やこだわりはだれの心の中にもあるものですよね。
“きらめき”は日常の些細な事で充分感じられると再認識した大人向けのピクサー作品でした。
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