217号室

ソウルフル・ワールドの217号室のネタバレレビュー・内容・結末

ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

Filmarksの試写会に当たったので観てきました。
ずっと観たいと思いつつ後回しにしていた本作を映画館で観ることができてよかったです。
音楽が関わる作品はやはり映画映えしますね。ありがとうございました!

ピクサーは死とか感情とか、そういった身近なものから独特な世界観を生み出せるのがすごいよなぁ……。
脱線するが、モンスターズインクの世界観も、何故モンスターは子供を怖がらせるのか?という疑問から広がった物語だと思うし着眼点と想像力が豊か。

ジョーが死んでからの描写にとにかく度肝を抜かされた。
天国(?)へのエスカレーターが世界共通の概念であることにも驚かされたし、虫が電球に触れた時のようなジッという音で個々の魂が完全に消滅するの、怖いと思うと同時に感嘆した。情もない慈悲もない、ただ消滅するという感じが恐ろしいのに何故か魅力的。
深読み感は否めないが、虫だろうが人間だろうが命尽きる時は皆等しく平等で優劣はないって言いたいのかな…と。
また、あの世(という表現でいいのか?)の管理人がどんな姿にも変えられる「線」で構成されているのが、人間ともソウルとも異なる生物なんだと感じられてとても良い。テリーが好きだ。

ところどころ設定の甘さを感じるところがあったし、死ぬ覚悟ができた人間を生き返らせる展開にはマイフェアレディのラストシーンを見た時と同じような気持ちになったが、しっかり面白かった。とにかく世界観やその演出に圧倒された。

音楽だけでなく身近に存在する全てのものの大切さを実感する終わり方で、この作品におけるテーマや伝えたいことが純粋さに溢れていて和やかな気持ちになりました。
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