けーすけ

前田建設ファンタジー営業部のけーすけのレビュー・感想・評価

3.7
前田建設で働くドイ(高杉真宙)は仕事に情熱を見出せず淡々と日々を生きていた。そんなある日、上司のアサガワ(小木博明)が「マジンガーZの格納庫を作れるか」と言い出し、マジンガーZの地下格納庫を作る依頼をファンタジーの世界から受けたという“テイ”で見積もりを作る事になった。巻き込まれたベッショ(上地雄輔)とエモト(岸井ゆきの)も全くやる気はなく、果たしてこのプロジェクトはどうなるのか・・・





映画タイトルと“巨大ロボ”“格納庫”というキーワードだけ頭に入っていてなんとなく敬遠してたのですが、これ実話ベースなんですね…。全く知らなかった。


「マジンガーZ」を作るのではなく、それが格納してある「光子力研究所格納庫兼プール」を実際に建設した場合の、設計・工期・費用といった見積もり作成をプロが大真面目に挑むという内容。


最初は嫌々ながらで、企画中止にする機会を伺っていた面々も、工事に携わる人や技術に触れて徐々に熱が入っていくさまや、次々に立ちはだかる技術的困難において社内外の人を巻き込んで目的を達成しようとするところは王道的展開で面白かったです。

いかんせん昔のアニメなので放送回によって「ロボット出動時の描写が違う…」という、どうでもいい部分にまでバカバカしくも真面目に向き合う部分にはケタケタ笑えました。


掘削現場の取材シーンでは実際のトンネル工事現場を使って撮影したようで、巨大重機がガシガシ削ったり、長島ダムでの放水シーンは大迫力。セットやCG等に頼らず現場撮影された見どころの一つかと思います。



「好き嫌いは分かれそうだな」と感じたのが、基本的に笑わせようとする見せ方で、小木博明や上地雄輔がかなりオーバーな演技でコッテコテ。そういったノリが苦手な人には辛いかも。

高杉真宙のクールな感じはかっこよかったのですが、他のキャストに食われてる印象もありましたかねえ。
岸井ゆきのは相変わらず可愛くもありつつ、本作では「長い話を聞かされると寄り目になって宇宙へ行く(意識が飛ぶ)」という変顔がキュートでした。



エンドロールのクレジットが会社にちなんだ素材で表現されていてオシャレカワイイ!と刺さったところ。ぜひ最後まで。


といった感じで、マジンガーZの事を全然知らなくても楽しめる面白い映画となっておりました。おそらく当初は広報企画として始めたのだろうけど、十数年後に映画化までされるとは当時の人たちも思ってもなかっただろうなあ。


2021/01/12(火) TSUTAYA DISCAS定額レンタルにて鑑賞。
[2021-006]
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