ぴんゆか

セーフティのぴんゆかのレビュー・感想・評価

セーフティ(2019年製作の映画)
3.3
銃社会と無縁に生きているからこそ見るべき作品。
ポスターの、同じ線上に子供たちが並べられた写真も意味ありげで、人の命の重さが平等であることやまた凄惨にも命を落とした者が最後に並べられる様子も想起させる。

やたら長い背景、人物描写も無く、このジャンルで有名なエレファントには耐えられない人も見られるものだと思う。

YouTubeのコメント欄にもこの教師の行動がいかに素晴らしく、万人が取り得るわけではないものかが各国の言葉で称賛されていたが本当にその通りで、残念ながらこういう状況に置かれた時は一人はみんなのためにみんなは一人のためになどと綺麗事を言っているような場合では無く、より多数の命を守ることを優先すると時には残酷とも言えるような判断を下さねばならないのだろう。

まだ小さい子供たちが言うことを聞いて一生懸命隠れる様子には一時の油断も許されない緊迫感とこんなことを子供に教えなければいけない無情さとが漂う。

犯人は肉親を殺すほど自分は狂っていない
と泣いて訴えるが、それを何もわからず純粋な瞳で見つめる子供とのカットが何とも苦しい。

先日の銃乱射事件での当該地域の声明では、このような精神状態に陥る者のケアが必要だというような趣旨が語られていたが、そんなことは言うまでも無く、結局この後に及んでも銃を手放したくないというライフル協会の息のかかった考えに固執することが大事なのかと失念した。
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