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かぞくあわせのmのレビュー・感想・評価

かぞくあわせ(2019年製作の映画)
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全体的に安定した出来で特に悪い訳でもなく、けれど何か良い所があるでもなくという感じ・・・。

オムニバス3本の内2本は尺がそれぞれ17分くらいで、残りの1本だけが1時間という尺の配分のアンバランスさは何故だろう。

1話に関して。
昔の石井克人監督作品が好きな人が作った感じかな?どうせやるならもっとコミカルに弾けた方が良かったのでは。

2話に関して。
特に明確に説明はされないけどまあたぶんロボットなんだろうなという人達がメインの登場人物になるのだけど、人によって人間臭い演技をする人とロボット演技をする人でかなりのばらつきがあるのはちょっと気になる。意図的にそうしてるのは分かるんだけど、男性の方があまりにも急に思いっきり人間的になり過ぎるので、もう少しロボットぽさ出しても良かったのでは?と・・・演出でもう少し芝居を整えるべきだと思う。
SFとしてもラブストーリーとしても悪い意味でウェルメイドの域に留まっている。

3話に関して。
長い長いファーストショットの良い所で思いっきりカメラに気付いてフレームから逃げる一般人が大写しになるのはちょっとキツい。あれは絶対リテイクするべきだった。長回しにこだわるならそういう所で気を抜くのは駄目だと思う。映画の冒頭だし。
毒にも薬にもならない1・2話もキツかったけど、3話はとにかく間が長過ぎるのが辛い。しかも全部長回し・・・
長回しに耐え得る演出や脚本の工夫が無く、撮影も良くないし(『芝居』を撮ろうとしてるのか甚だ疑問だし、かと言って画の構図もキマってはいない)、俳優にそこまで強度がある訳でもないので、長回しの連続が作り手の自己満足に陥っている(夕焼けの防波堤上で娘2人がわざわざ波に打たれながら話す所とかまさに演出のエゴのせいで不自然さマックスだし)。シーン間の繋がりも悪い。

あと整音のクオリティが低い。台詞が聴き取り辛かったりアフレコが浮きまくってる所があるのが気になる・・

ラスト近くにあまりに暗過ぎて冗談抜きで何も見えないカットがいくつかあって戸惑った。照明使いましょうよ・・・

ラストのモノローグの連呼もちょっと・・・
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