わざわざTシャツを着ているくらいだから露骨に『俺は園子温だ!』の影響を色濃く感じるが、後は『ドコニモイケナイ』であったり『監督失格』であったり…と並べると絶対に怒る人が出てきそうだが、扉の先でもしかしたら死んでるかもしれないと言う恐ろしさに関して言えば近しいところがある、少なくともカンパニー松尾のハメ撮り感よりはエリザベス宮地の生々しさに近い。まず前提として個人的には全然「アリ」な作品であるが、同時に絶対に批判されなきゃいけない作品でもあるので、感情論では無い批判を聞きたいところである。創作物が限りなく私的になる事をまるで悪いとは思えないし、人前で丸裸になる事で無理矢理創作物へと押し上げる事も悪いとは思わない。鬱で死にたい死にたい言いながら病院に行こうとしている時に「なんだ、生きようとしてんじゃん」なんて声を掛けられた事を思い出した、今日も私はこうして生きて「映画」を観ております…。きっと10年20年先に監督ご自身がこの作品に立ち返った時には顔面から火を吹く程恥ずかしい思いをするのだろうが、どうか諦めずにその日まで「映画」を撮り続けていて欲しい、なによりも生きていて欲しい。俺もいい加減いい歳なのか、この作品のクソガキな稚拙さとクソダサいゲージツ家気取りの部分も含めて万歳を捧げてやりたくなった(偉そう過ぎる)。これを『花束みたいな恋をした』の後に上映してるテアトル新宿よ!可能であれば2作連続でご覧頂く事をお勧めする、天国と地獄を一日で味わえる。とりあえず根矢さんの「キスだけ」の後のマジチューがエロ過ぎんだな…。撮るべきか撮らざるべきかは置いといて今しか撮れない作品をしっかり形にした事はきっとこの先大きな意味を持つ、好きにやってください、頑張って。