Shiori

あるいは、とても小さな戦争の音のShioriのレビュー・感想・評価

4.0
伊参スタジオ映画祭 シナリオ大賞受賞作品の映像化。
村口知巳監督の「音の3部作」シリーズ1作目。

日常に潜む戦争の足音、その予兆に気づけるか否かを問いかけられた気分になった。自分はどんな音が聞こえるのか、あるいは聞けていないのか。

平穏へ忍び寄る不穏に気づく人と気づかない人。近く起こり得る現実とも虚構とも捉えられるけど、自分はどう在り何を思うのかを改めて考えたくなる。戦後はいつだって戦前。

家の中でもイヤホンをすること=アンテナを張らず「サイレンを聴かない」選択なのかと思うと、火種から目を背けてないかと提起された気がした。

「戦争」と銘打ちながら、その"重たさ"は軽やかに撮られている。澄んだ空気が伝わる、様々な青色の美しさを感じる作品。
Shiori

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