ふじこ

完璧な惑星のふじこのネタバレレビュー・内容・結末

完璧な惑星(2019年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

面白かったぁ。ロボットの造形や探索した惑星を表示するボードや内装も全部好みだった。

移住に適した"完璧な惑星"を探し求めるロボットくんと、多少早く死ぬくらいなら良い、ただ健康でいるだけでは意味がない と自由を欲しがる主人公。
"完璧なもの"なんてきっととても少ないし、それが惑星ともなると ありませんでした って言われても そうかぁ……ってなっちゃうんだけど、ずーっと同じ部屋でただ時が過ぎるのを待つだけの生き方にウンザリしてしまうのもよく分かる。

自分から地球を出てきた(ロボくんは逃げ出した と表現)っぽい感じだけど、この船は救助艇らしいし、一体何があってこんな状況になったんだろうなあ。地球で救助されたっぽい表現もあったけど。
そして何体も何体もロボットがあるみたいだけど、本当の主人公の意識とは独立しているのかな?

自分で指を引き千切って"故障したから地球に捨ててくれ"と言って降り立つ際に、探査した惑星のカウント(パズルボブルみたいな見た目)はゼロに戻されて、恐らく何も知らない次の自分ロボットがまた1から惑星探査を始めるんだろうけど…。記憶の連続性についてもロボくんの思うがままって事なんだろうな。
今まで尽くした主人公が地球に降り立つ際に振り返りもせずに、また銃に弾を込めるロボくんの後ろ姿がなんとも言えなくて、ここが一番素晴らしいと思った。

そして降り立った地球では、かつて同じようにして降り立ったであろう自分たち、そして次の自分に何も告げず惑星の探査を提案するロボくんで終わり。
最初に表示されるアシモフのロボット三原則には何も反してはいないのに、とても恐ろしいなぁ。

まるで洗練されたデザイナーズハウスみたいな見た目の宇宙船の何処かで保存されている主人公の肉体が滅びるまで同じことを繰り返すんだろうか。
ふじこ

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