眼鏡の錬金術師

アルプススタンドのはしの方の眼鏡の錬金術師のネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

高校野球地方大会の応援のためにきた男1女3の生徒4人。
アルプススタンドの端っこで描かれる4人の会話劇。

おもしろいね!
試合が行われているものの、グラウンドは映らない。撮影はほぼスタンドでのみ行われていて、舞台っぽいつくりだ。

園田の才能に差を感じて野球部を辞めた藤野、大会に出られず腐ってる演劇部の安田、同じく演劇部だけど大事な大会前にインフルエンザにかかったことを引け目に感じている田宮、ひとりぼっちの秀才宮下。登場はしてこないけど、ピッチャーの園田。園田の彼女久住。

園田くんがキーパーソンだが、園田くんが出てこない演出は「桐島、部活やめるってよ」に近い手法。

キーワードは「しょうがない」。青春真っ只中において、試合や大会に出られないのになんで練習を続けられるのか、負けることや出られないことを「しょうがない」という言葉で片付けるのは簡単だが、そんなに冷めるのはもっと歳を取ってからいいのかもしれない。
個人的にはインフルエンザとか災害とかで自己実現を図れないときは「しょうがない」というか信長っぽく、「是非もなし」って思うようにしてる。

一方で、周りとの才能の差を感じるときってのも生きてればあるけど、たぶんやることは変わらない。自分はその才能ある人にはなれないし、自分の最大値を目指すしかないだろう。

終わり方がご都合主義的だが、メッセージはすごく伝わってきた。