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アルプススタンドのはしの方のmasaのレビュー・感想・評価

4.2
自分は今まで何回「しょうがない」という言葉を使ってきただろう。
数えきれない。。

第63回全国高等学校演劇大会で最優秀賞に輝いた、兵庫県立東播磨高等学校演劇部による戯曲が原作の青春ドラマ。

野球を観戦している少年少女たちに交差する思いを、波乱に富んだ試合の展開と重ねて描く。城定秀夫監督。

高校野球、夏の甲子園大会。夢破れた演劇部員の安田と田宮、遅れてやってきた元野球部の藤野、成績優秀な帰宅部女子の宮下が、アルプススタンドの隅で白熱する1回戦を見つめていた。
どこかぎくしゃくしている仲の安田と田宮、テストで学年1位の座を吹奏楽部部長・久住に奪われてしまった宮下、野球に未練があるのか不満そうな藤野。
試合の行方が二転三転するに従って、彼らが抱えるさまざまな思いも熱を帯びていき…

このコロナ騒動の世の中のせいか妙に心に響いた。

序盤の女子二人のとんちんかんな野球のルール解釈の会話が、楽しくて仕方なかった。
一見うざったい、応援を促す暑苦しい先生がよかった。

野球のシーンを一切映さず、スタンドの端のほうで起きる会話劇で、ほとんど押しきる。潔さが気持ちいい。

そして、最後はやはり努力することの大切さを、淡々としたドラマのなかでさりげなく教えてくれる。

久しぶりに、日本のいい青春映画を観た。
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