このレビューはネタバレを含みます
フォーラム仙台で見た。78分という時間の短さが決め手となった。とはいえ、体感的には『オッペンハイマー』と同じ時間だった。※つまらなかったわけではない。それだけリッチになり、バジェットがでかくなり、技術が高まるということはすごい、というかノーランはそれにぴったりな作家的性質だったのだなと思う。
<ストーリー>
見知らぬ相手を付け回すのが趣味の作家志望、ビル。ある日、付け回した男に尾行に気づかれ、空き巣(という名の家宅侵入)に誘われる。侵入先の女と知り合うビルだが……。
相変わらずアクションシーンはへたくそである。というか、興味がないのがよくわかる。そのうえ、時系列をいじっているので、侵入した先にいた男(ビルが殺してしまった男)が何だったのか?と後半までよくわからなかった。
世界観Aがあるます→うっそです!ほんとは世界観A'でした!→ほんとはA"でした!
という構成って現代らしさというか、ノーランが流行らせた遠因となった一大潮流だと思うけど、要するに拡大再生産を繰り返しているだけで世界観的ジャンプインフレでしかない気がして、どこかで『ハンター×ハンター』的な、世界観への念能力と相性の導入(によるイノベーション)が必要な気がする。
まるでミステリ小説をそのまま読んでいるかのような映画体験だった。平板ではあるが、ミステリに熱中していたころだったらもっと響いたのだろうな。