柏エシディシ

フォロウィングの柏エシディシのレビュー・感想・評価

フォロウィング(1998年製作の映画)
4.0
25周年HDリマスター版。
恥ずかしながら初見。
唯一観れていなかったクリストファー・ノーランの作品で、彼のデビュー作な訳だけれど、驚いたのはその後のノーラン作品の要素がほとんどこの時点で入っているという事。そのエッセンスで、ある意味究極の完成形なんじゃあないか、と。
捻れる時間軸。追う者と追われる者。混乱する記憶。男を翻弄するファムファタル。
ご丁寧にティム・バートンのバットマンの映画ポスターまで登場する!
まるでノーランのフィルモグラフィそのものがあらかじめ、ノーランの作る映画の様に時間が交錯している様に思えてくる。
本作は映画至上主義者ノーランのヒッチコック趣味も全開で、ギミックに偏り過ぎて、バカ映画の風味すらする近年の作品より、ストイックに洗練されている節もある。
そして今時点での鑑賞は、「オッペンハイマー」にも通底するノーランマナーを確認しつつ、やはり伝記映画としての「オッペンハイマー」がノーランとしては新基軸であり、ある種のネクストステージである事も確認出来て、面白い。
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