ラッカセイちゃん

ホドロフスキーのサイコマジックのラッカセイちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

エルトポやホーリーマウンテンのトンデモをリアルに実行して悩める子羊達を救っていくドキュメンタリー。
疑似出産や疑似臨死を通して一種の生まれ変わりを演出するという完全にカルトまがいなホドロフスキーワールドを見せ付けられる二時間となっている。
しかし、個々人の持つトラウマは視野の狭窄から来る一種の強迫観念が問題である。解決する為には現実と実態、自己の本性のギャップを埋めるアプローチが必要である。現代医学(科学?福祉?)では解決できない彼らの問題を無意識と魂の解放というスケープゴートを使い、囚われた悪夢から救い出す手法をホドロフスキーは構造を理解し用いる。
とりわけ、死に囚われた88歳のお婆ちゃんを信仰を用いて救い出す場面では、私なりに現代の苦悩を軽減する道筋なのではないかと感嘆した。
現代人は手放してしまった、内と外と周辺の話が思い出された。