てる

サヨナラまでの30分のてるのレビュー・感想・評価

サヨナラまでの30分(2020年製作の映画)
3.7

若い世代の監督が来たって感じだね。
冒頭のPVみたいなシーンは中々印象的だった。ワンカット風に撮っているのも面白い。

ありがちなファンタジー青春ムービーな設定だったけど、思っていたより面白かった。その設定も少し複雑だったりしたけど、分かりにくいわけではなかった。それよりも引きこもりがちな青年が徐々に成長していく姿や、三つ巴の恋模様が面白い。
秘めた才能があるのを秘めたままにしておくのはもったいない。それを開花させ、他の人に認めてもらっていくのはいかにも青春ムービーなのだけど、そのご都合主義が嫌いじゃない。彼はずっとコツコツ1人で技術を磨いていたわけで、あまり矛盾は感じない。
とり憑かれて情緒不安定なヤバいやつなのに、それを周りが意に介してないのは、不思議ではあるが、それは映画の嘘なので、すみに置いておこう。

最後のライブシーンは不覚にも込み上げてくるものがあった。こんなよくわからないありがちな青春ムービーに泣かされそうになるとは思わなかった。
色んな手助けを借りたものの、自分の力で晴れ舞台に立てるようになった北村匠海に涙。色んな想いを抱えてはいるが、最後は気持ちよく逝けた真剣佑に涙。
もう少し先まで観たかったけど、そこまで観るのは無粋なのかもしれない。墓参りにいったのかな、その後の2人はどうなったのかな、色々考えるくらいが気持ちいいのかもしれない。

それよりも北村匠海って歌上手いんだっていうのを再認識した。さすがは元アイドルだ。うってつけの役だったのだろう。今後も音楽関係の役やってほしいなぁ。
彼はヤンキー役よりもこういう引っ込み思案な役の方が合っていると思うんだよなぁ。変な方向にいかなきゃいいけど。
てる

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