Kiki

山中静夫氏の尊厳死のKikiのレビュー・感想・評価

山中静夫氏の尊厳死(2019年製作の映画)
3.8
「尊厳死」とは…

「楽に死にたいんです」
「やっておきたい事があるんです」

お涙頂戴映画ではなく、納得する死に方(生き方)の向き合い方を描くいい映画でした。
長野県佐久市の爽やかな風景、隣のお婆さんや同級生との再会など故郷に戻れてよかった。

地味だけどドラマチックに演じられたという津田寛治さんや笑顔がめちゃめちゃ可愛い中村梅雀さんが、W主演されています。津田寛治さんは驚くほど痩せて役柄をしっかりと作り込まれていました。
ちなみに津田寛治さんは医師(笑)
丸顔のぷっくりした梅雀さんが癌患者(笑)


患者が欲しいのは"心配"の言葉ではなく"信頼"の言葉…子育てもそうだと思う。
今井医師は、患者とも思春期の息子とも言葉少なではあるが"信頼関係"があった。しかし皮肉にも患者の死に向き合い過ぎる過酷な労働者となり、自身の心の余白まで仕事で埋めてしまっていた・・・

原作は現役の医師でもある南木佳士さんの同名小説
去年、出生数は86万人 死亡した人は戦後最多を更新する137万人…。超高齢化社会と人口減少の実態が浮き彫りになりました。親の看取りや自分の最期を考える(願いや希望)「人生会議」しようと思います。

フジTVの腫瘍内科のドラマでは、やりたい事をやって残りの時間を自分らしく活きる末期の女性を演じていた高畑淳子さんが、こちらでは肺がんの夫を支える妻役で心の変化を上手く演じられていて流石でした。

久しぶりに小椋佳さんの歌を聴いた…♪
柔らかな声は沁みた〜
Kiki

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