観た。
とても良作。
まずロケセットが素晴らしい。中村屋酒店。これありきでこの映画、作られたんじゃないかっていうくらいシズル感たっぷりの古き良き酒店。
限られた原資を最大限、効果的に使って作られた感じも良い。
兄弟役の2人素晴らしい。特に長尾卓磨、良い役者さんだなぁ。若い時はそれなりにモテたりしたのかな、という雰囲気もあるし、でも田舎暮らしの朴訥さもあって、台詞も表情も柔らかくて。佇まいだけでドラマを感じる。
脚本も抑えめで良い。ここでウェットな変な台詞言わないで欲しいな、という時に自分の期待より更に温度低めでドライな台詞が出てくる。最後まで男兄弟のリアルな会話っぽくて好き。
映像の温度も程よいし、ラストも無理に展開させずに、藤原季節の何とも言えない表情で終わる。
ちょいと残念だったのはなんで歌で終わるのかな、って事かな。エンディングソングっていつ何処で発生した文化なんだろう。別に静かなインストの曲で終わっても良いのに。
事件は少し無理めな気もするけど、とある場所の少しの時間経過を切り出した、ありのままの出来事ような映画。
白磯大知、脚本・監督
