アベ二ティKazumaAbe

バットマン vs ミュータント・タートルズのアベ二ティKazumaAbeのレビュー・感想・評価

4.6
原作のアメコミ『バットマンvs.ミュータントタートルズ』はコラボ作品のお手本みたいな佳作であり、邦訳版を何度も読み返していた。ただ、映像化について知ったのは最近だったので、ここは日本の宣伝部に何卒頑張ってほしいところです。

最初こそ、タートルズとバットマンの邂逅〜的な「物語における重要な展開」は原作を準えるものの、その後中ボスとしてジョーカーが登場する辺りから大きくストーリーが分岐する。ヴィランよろしくバットマンがミュータジェン化する(!)展開が追加されていたりするのは面白いし、原作では怒れるラファエロをバットマンが嗜めるくだりが、頑固なブルースをラファエロが説得する展開に変更している点などが興味深い。

本作はアニメーションの作画について(日本では)割と言われている印象があるが、俗に"作画崩壊"といわれるようなことは見受けられないし、ぶっちゃけカッコいいカートゥーンがたくさん摂取できる良作だとも思う。

最後にデザインについて一つ。劇画的・精緻に描かれている原作コミックと比べどうしてもルックの印象が一歩引けをとる本作だが、トゥーフェイスやフット団のモブらのミュータジェンフォームはすごく魅力的だった。物語終盤、ここらの見せ場を眺めるだけでも十分価値がある。