FREDDY

オリバー・ツイストのFREDDYのネタバレレビュー・内容・結末

オリバー・ツイスト(2005年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

チャールズ・ディケンズの長編小説『オリヴァー・ツイスト』をロマン・ポランスキー監督が映画化した本作は、19世紀のロンドンを舞台に、夕食の席でおかわりを求めたことで救貧院を追放処分となった9歳の孤児オリバー・ツイストの、過酷な運命に翻弄されていく姿を追ったドラマ作品となっているのだが、何とも考えさせらる内容だっただけに、単純に"面白い"の一言で片づけることが難しい映画という印象を強く受けましたね。純粋無垢な少年オリバー・ツイストが紆余曲折を経てようやく幸せな生活を送ることが出来てハッピーエンドを迎えるのだが、窃盗団の頭フェイギンに対する"恩"というものが"負の感情"を抱かせる展開へと導いてしまうので後味はすごく悪かった。オリバーの身を案じてペントンヴィルに住むブラウンロー氏にフェイギンとサイクスの悪事を密告したことで撲殺されたナンシーや、逃走中にロープが首に絡まり事故死した、ナンシーを撲殺した犯人ビル・サイクスの"死"がどうしても自分の中で処理ができなかったこともあり、終盤は妙な気持ちにさせられましたね。とにかく後半は人の"生死"や"運命"というものを考えざるを得なかった。ただ、泥棒のフェイギンと紳士のブラウンロー氏の間で葛藤するオリバーの心情を伝わってきましたし、全体を通して物語も最後まで目が離せなくなるほど魅力的で、キャスト陣の演技や舞台となるロンドンの街並、衣装もそうですし、本作は観る価値は大いにありました。とても良かったです。
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