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アメリカン・ファクトリーのkoyaのレビュー・感想・評価

アメリカン・ファクトリー(2019年製作の映画)
4.0
Netflix オリジナル ドキュメンタリー映画。
サンダンス映画祭でドキュメンタリー賞を受賞。

描かれているのは、アメリカオハイオ州2008年に閉鎖されたGM社の自動車工場に2015年進出した中国企業の工場。
自動車のガラス専門の工場、フーヤオ・ガラス・アメリカ社。

中国とアメリカ、言葉、文化、民族性・・・全く違う2つの大国の対立をこのドキュメンタリー映画は「ある工場」でもって描きます。

ドキュメンタリー映画というのは、カメラが入った時点で「ある演出」がどうしても出てしまうことを差し引いても、やはりもし、自分だったら・・・と考えることができるかどうかだと思います。

利益を上げたい経営側と労働条件の向上を叫び組合を作ろうとする労働者側の対立。

アメリカに進出しました、対立しましたではなく、むしろもっと大きな問題を最後にぽっと置く演出がいいと思います。

やはりウォンさんという溶接責任者が、つぶやくように言う
「両雄並び立たず」なのか。

この映画はその答えを出していません。
ドキュメンタリー映画ならではの緊張感がずっと続いて、娯楽作ではないけれど考えさせられる映画。

自分は日本人だから関係ない、ではすまされない事を多く描いていると思う。働くということ、利益を上げるということ、他国文化をどう受け入れるかということ、自分たちの労働環境をどうよくするべきかということ、
それは日本でも同じ事が起きている、それを知る一つの手段としてこの映画を観ることをお勧めします。
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