西木寸

少年の君の西木寸のレビュー・感想・評価

少年の君(2019年製作の映画)
3.9
Filmarksオンライン試写会にて鑑賞。

受験を控える中でいじめを受ける少女と、社会から見放された少年。立場背景の異なる二人が互いに居場所を見出していくが...
社会問題としてのいじめをバックボーンに描きながら、依存関係になっていく二人を熱量高く描く傑作です! 

オスカー国際映画賞ノミネートも納得で、いじめの下劣さ不愉快さ、その背後の受験戦争や親子関係の気持ち悪さなど社会問題を切り取りながら、それだけでなく超面白い。

断片的な映像の切り貼りで二人の内面世界に引き込みつつ、ミステリーとしても機能させる映像センスがピカイチ。

いじめダメ!な作品ではあるんだけど、ど真ん中にそれを描いた作品では全くなくて、「そこから生まれた物語」を描いているのが凄い好き。間接的にいじめやその背景を考えさせられるけど、単純に映画としてめちゃくちゃ熱いし面白い。

強いて言うなら...いじめっ子が、背景にも社会問題を持たせて厚みを持たすのは良いんだけど、それと彼女のキャラクターや行動の繋がりが全くリアルに見えず、物語を動ごかす為のアイコン的で温度を感じなかった。
西木寸

西木寸