angie2023

少年の君のangie2023のレビュー・感想・評価

少年の君(2019年製作の映画)
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「女性を守る」という、歴史あるイデオロギー的な考えが、貧困と格差、受験戦争とイジメという現代社会を体現する言葉に絡められ、非常に新鮮な感覚で更新されている。
「守られる」ことは、決して弱いからではない。不条理な世の中から生き残るための術であり、それはお互いの共犯であるのだ。
主人公の凜とした、でも不安定な眼差し。ここに全ての答えがある。守る/守られるの二項対立ではない。たった今を、未来を見据えながらも、その目の前のたった今を、生き抜くために。

グロテスクな学校社会と受験戦争。容赦ない描写は、イジメ抑制という映画の主の目的を超え、学校制度への批判とも取れる。
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