ひでG

少年の君のひでGのレビュー・感想・評価

少年の君(2019年製作の映画)
4.0
良い映画、チカラのある映画は、冒頭から一味違う。

大学進学だけを目指す超エリート高校に通うチェン・ニェン。

学生の数はかなり多く、教師の檄を飛ばし一見活気があるように見えるが、温かさを微塵も感じない。

一心不乱にノートをとる学生たちが窓の外を覗き込む。スマホで何かを撮影する、
好奇だけが集まり、そこに同情や悲しみは微塵もない。

そんな中、チェン・ニェンは、そこに駆け寄り、その人にそっと上着をかける。

もう、この場面だけで、この映画の中にぐいぐい引き込まれていました。

まだ、重要なあの人の登場前なのに、、

そこからチェン・ニェンへの壮絶ないじめが始まる。あの美形の女の子のイジワルな笑顔がキレキレ!

そして、いよいよ、チェン・ニェンは、
シャオベイと出会う。

ここからの展開が実にいいんだな、、

監督のテレク・ツァン、、
ごめん、文の途中で送っちゃった、💦


続きを書きますね。

監督のテレク・ツァンさんは、インタビューで、
「人生にはどん底でも誰か必ず救いの手を差し伸べてくれる。」というような事を語っている。

僕はこの作品を、いじめ告発の社会派やヒューマン色作品というより、

純な、本当に純な恋愛ドラマとして観ました。

シャオベイがかなり離れたところからチェンを見守る(ガードマン)するところを
カメラはかなり俯瞰で撮ったショットなんて、本当にキレイで、ピュアな世界に引き込まれます。

距離は離れているのに、どんどん2人の間は縮まっていくのがよく伝わりました。

クライマックスは、相手への気持ちが
一気に膨らみ、かけがえのない存在になるところ、哀しかったな、辛かったなあ、
でも、美しかった、、

本当に壮絶な恋愛ドラマを久しぶりに観た!という充足感に包まれました。

ただ、だからこそ、ラストは、、、

ファーストシーンに戻るラストは、、、

そして、いじめに言及し、その対策を語るのは、、、

僕は蛇足だったなと、惜しいなあと思いました。
(それがなかったらもっと高得点行ったかも、、です。)

でも、素晴らしい、チカラのある作品でした。大満足です!
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