いじめた少年たち、
いじめられた少年たち。
傍観した少年たち。
超監視国家にあって犯罪を未然に防ぐことはなくても、純粋な少年たちの恋心には決して報いてはくれない我儘な集権国家とか。
公平公正のなかの僅かな差異は暴走もすれば暴徒にも化す。
いじめとはそんな社会システムが引き起こす現象の呼び名に過ぎない気がする。
傷つけたものが死に追いやられ、傷つけられたものも死に値する辱めを受けたにも関わらず、さらに苦を背負わされるだなんて。
そんなもの、いじめに以外にもたくさんなかったっけ?とも彼の国には想い馳せることもあるのだけれど、チョウ・ドンユイちゃんからはらはらと流れ続ける涙の数だけ切なくも優しくなった。
勇気ある二人の坊主頭。
怒りは込み上げてくるのに怒りを見せてくれない物語。
若さが勘違いも間違いも起こしてしまえる、もっと純愛でも良かったと思う。
そういう青春が沢山あるといいのに。