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少年の君のtakehiのネタバレレビュー・内容・結末

少年の君(2019年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

純愛ドラマのお手本的映画では!!
おじさんの映画日記 少年の君編

ヒロインは優等生ですがエグい程のいじめや受験戦争、家族問題に押し出され、孤独な不良少年との運命的な出会いをします。 
悲劇が重なれば重なる程2人ぼっちになって愛は深まります。

そんな作品世界は思いっきり古典な少女漫画の世界のように思えます、少年との出会い方(衝撃の強制キス)も、いじめの首謀者はヒロインより美人で勝ち組なのもそれですし、若い男性刑事の存在も恋の三角関係(及び影の応援者)を匂わせます。 
少年は暴力的にヒロインを奪おうと思えばできる、壁ドンしまくりですが、一線を超えません。 
プラトニックにヒロインを愛し、守ります。 

そして圧倒的に熱い青春ドラマでした。 
孤独な若者が未来を掴むべく奮闘する、反抗する、戦う、夢を見る、恋愛を貫く! その流す涙の美しさったらこの世のものとは思えない←そりゃ映画だもの!それが良いのです、尊くて美しいものを見ているって実感する、つまりドラマ(物語)に酔える感じが良かったです。

ラストに向けて物語はミステリー仕立てになり最大の悲劇がヒロインに起こり、なんとかしようと、少年とヒロインは行動を起こします、、
その物語は留置所での2人の面会シーンで感情がピークに達します。 悲しみや切なさ、安堵やら喜びやら一緒くたの表情で、ただただガラス越しに見つめ合う2人、おじさんの涙腺は決壊しました。。セリフも無く2人の表情を交互に映すだけで泣かせるなんて!! 黒澤明の天国と地獄、羊たちの沈黙、山田孝之主演の凶悪、是枝役所の3度目の殺人等々、、数ある映画作品における歴代面会シーンのベストを争います(笑)

世の善意も悪意も全てヒロインへ濁流の如く流れ込んで行き、観始めるとまるでジェットコースターのように物語を疾走しノンストップに突き進みます。
撮影はひたすらテクニカルでたとえ校舎、裏道、部屋、廃墟でも美しく物語を盛り上げまくります。
優等生少女と不良少年の濃い純愛ドラマを映像化するその技術の高さは半端ないです、中国・香港製の傑作映画でした!

2021/8/24 5:45封切り時Yahoo映画へ投稿
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