あき

スーパー30 アーナンド先生の教室のあきのレビュー・感想・評価

4.5
まさにボリウッドで、ベタだけど胸高鳴る熱いシーンの連続にいろんな思いを馳せるこの映画が、実話ベースなのが驚き。
格差と階級差は出自と元来の家庭的裕福さから必然的に存在するのではなく、それを無意識に無条件に受け入れてしまった、戦う前にすでに戦意喪失している精神的敗北に由来するのだとの思いから、
貧しい家庭の子どもたちに無償で教育を施すことで夢に描いた将来と勇気を与えた主人公の清らかな人格と篤志に敬服する。
そして、それを自らの利益の障害と見るや排除に動く者が現れるのは想定できるとして、
でも結局実行犯は組織における末端の者であり、いわば”いつでも切り捨てられる者”が、本来なら自分たちの将来・可能性の象徴である者に手をかけてしまうのが皮肉だ。
社会に不満を持っているなら現状を変えてくれる者を守って一緒に立ち上がるべきなのに、そこまで頭が働かずに実行犯として人生をそして将来を自ら葬り去り、そうやって末端の者はいつまでも末端に過ぎなくさせてしまう。
彼の生徒たちが彼から学んだことは勉強だけではなく、
そしてかの国よりはるかに恵まれ裕福である側の日本人である自分にとってもこの映画で多くのキヅキが与えられた。
あき

あき