河

グリーンポイントからの手紙の河のレビュー・感想・評価

5.0
ジョナスメカスがロストロストロストの終盤あたりからずっと30年くらい住んできたところから引っ越すよっていうまじでそれだけの話で、その引越しの過程を記録した映像をひたすら見せられる

ただ、ジョナスメカスのこれまでの作品を見ていたら、移民時代からアメリカに移ってニューヨークに住むことを決めて、それでコミュニティ見つけるけどそこのコミュニティは離散して交友のあったジョンレノンもアンディウォーホルも亡くなってっていうその30年の間にあった様々なこととか、故郷を失った後に得た新しい故郷がこの家だったったことも知っているので、ジョナスメカスがlike a rolling stoneを泣きながら歌うところでこの曲初めて聴いた時のジョナスメカスってとか考えたらなぜか泣いてしまった それに気づきつつ意に介さずパリピしてる息子も良い

フィルムじゃなくてビデオカメラになっていて今までのジョナスメカスの早回しとかの手法はなくなっている そのデバイスの変化からもラジオとかからもその引っ越しのきっかけが時代の流れによるだろうことがわかるし、それに対して変わらないものとして猫のミッチーが置かれている やたらとかわいい

飲みながら歌っていても心の底から出たみたいな言葉が出る感じジョナスメカスは映ってるだけで映画になるし、自分の人生の流れも所作も映画にした人なんだろうなと思った my friends don’t sing anymoreって歌うところよ

孤独だと夜が長いっつって夜の街をひたすら一人で散歩してたジョナスメカスが英語の流行歌を歌ってバーで楽しく過ごしてってしてるのを見るだけで嬉しいし、最後、飲み会終わりのちょっと感傷的な感じから寝れないって言ってるところで、別に映してるわけではないのにこれまでこの人の映画で見てきたものが映ってるように見えて号泣してしまった
河