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女たちの庭のakrutmのレビュー・感想・評価

女たちの庭(1967年製作の映画)
3.4
日本橋の老舗織物店を営む一家を舞台に、両親の学友のつてで知り合った男性をめぐる次女と三女の恋愛譚と、母親と学友の過去の秘密譚を描いた、野村芳太郎監督のドラマ映画。

ストーリー的にも映像的にも、映画というよりはテレビドラマのような出来で、まあ内容も平凡である。前半が次女と三女の恋愛譚で、後半が母親と三女の出生の秘密譚と、二つの話がかなりはっきりと分離しているので、連ドラの二話分を見ているような感じもしてしまう。二つの話をもう少し絡めて進行させることも出来ただろうと思うと、ちょっと残念である。

でも、次女と三女を演じた香山美子と生田悦子の演技がとても良くて、それでこの映画はもっているようなものである。生田悦子はデビューして間もない頃であるが、前半と後半の両方の話に深く関わっていることを考えると、主役と言って差し支えなく大抜擢であろう。そして、その抜擢に対して演技で見事に答えている。一方で、香山美子も前半と後半で変わっていくキャラを上手く演じ分けていてグッド。香山美子の親友役で倍賞千恵子が出演していて、「さくら」的女性とは異なる進歩的な(ちょっとイケイケな)女性を演じている。
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