ノッチ

ゾンビ-日本初公開復元版-のノッチのレビュー・感想・評価

ゾンビ-日本初公開復元版-(1979年製作の映画)
3.0
惑星から降り注いだ光線で、死者がゾンビとしてよみがえる異常事態が発生。

彼らは群れをなし、生者を次々と襲撃する。

街が惨劇の場と化す中、テレビ局員のフランとその恋人スティーヴンらはヘリコプターで難を逃れ、郊外の巨大ショッピングモールにたどり着く。

ジョージ・A・ロメロ監督の名作『ゾンビ』の日本初公開版を復活上映。

昔、テアトルダイヤという名画座で2本立てで偶然観た。

当日は、もう一方の映画目当てだったのだが、終わってみると、この映画に頭をたたかれたようなとても強い衝撃を受けた。

気持ち悪いということではなくて、人間の性とか消費社会の批評性とか、単なるバケモノゲテモノ映画ではないということが衝撃的だった。

マイナーな位置づけである黒人と妊婦がメインの主人公で、当時日本にはなかった大型ショッピングモールが舞台で、そこでドンパチ、ゲロゲロな映画が撮られているのだ。

そして顔にメイクしただけだと丸分かりの鈍いゾンビ。

人間のほうも故意に動作が遅いような気がして、気持ちが焦ってくる。

しかしこの作品、エンドロールもなく終わるからフィルムの切るところを間違えたんじゃないかと思ったよ。

でも昔の映画(それも超B級)をこうして再上映してくれるのはとてもうれしい。

とはいえ、バージョンとしては『ディレクターズカット』の方が出来は良い。

カット版なので当時のを知らない方達にしてみれば、巷に出回っているバージョンに比べたらなんてことはないバージョンなんで、『日本初公開版』はこういうものだったんだという事くらいにしておかないと肩透かしを食ってしまいます。

ただ『日本初公開版』という歴史的な価値は高いし、ゾンビ映画というジャンルを作った作品とも言えるので観る価値はあるかと思う。

これが公開されて日本の多くのホラーファンの心を鷲づかみにした事は間違いないし、作品としての価値を失うものではない。

それにしても『日本初公開版』のグロシーンのモノクロ処理は仕方ないとして、勝手なシーンのカットや追加って、今では大炎上ものであろうことを当時のヘラルドさんは堂々とやってますね。

ちなみに自分は頭がおかしいのか、人肉がケンタッ◯キーに見えて美味しそうに見えました。
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