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アウシュビッツの会計係のniのレビュー・感想・評価

アウシュビッツの会計係(2018年製作の映画)
4.5
1番印象に残っているのは、ホロコーストに直接的に関与していたアウシュビッツの会計士を、アウシュビッツに収監されていた生存者の一人の女性が「許した」こと。私がもし生存者だったら絶対に許せないなと思った。でも私たち人間は、相手を許さない限り前には進めないのかもしれない。またこの会計士に対する裁判の結果としては、結局受刑される前に会計士が亡くなってしまったし(自殺ではなく、老衰や仕方ない理由であると思われるが)特に何の意味もなかったように一見思われるが、殺人は、何年経っても裁かれるということを未来に示すための裁判であったということがすごく印象的だ。

そしてまた衝撃なのは、この会計士に限らず、何人かのホロコーストに関与した者たちが、終戦から何十年という時を経ても罪を認めていないこと。劇中で出てきた、ナチの1人が泣いていた赤ちゃんを黙らせるために、列車に投げつけて殺したということを悪く思わないということを言っていたことが恐ろしすぎて忘れられない…
またホロコースト否定者が本当にいるということに対しても驚いた。
戦後のドイツの政治体制がナチの残りによって作られたから、罪を逃れたナチが沢山いることなど、本当に衝撃的なドキュメンタリーだった…
Netflixで配信終了前にみることができて本当に良かった。
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