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人生をしまう時間(とき)のncccoのレビュー・感想・評価

人生をしまう時間(とき)(2019年製作の映画)
3.2
初日舞台挨拶上映で。
外科医をずっとやってきて、辿り着いた人生の集積として在宅終末期医療に人生を捧げる小堀医師と取り巻く人々の記録。
「ここに出てくる人たちは有名でも偉い人でも何でもない、普通の市井の人々です。その人たち一人一人の物語なんです」小堀医師があいさつの時に言っていた、ずしんときたことば。

亡くなったあと、家族や近所の人たちが集まって「お疲れ様でした」「よかったね」って言ってるシーンがたくさん出てきて、胸が詰まった。
死に行くことは悲しいことだけではない、色々なしがらみからの開放であり、安らぎや温かい気持ちを引き出すものでもあるのかもしれない。こんな風に人間らしく死んでいくことができたら、見送ることができたら、幸せだと思う。

柿の木のおじいさんと娘のエピソードがとても印象的。
死んでも、愛した気持ちは残っていく、この親子のように。こんな風に人間の命は過去から延々と紡がれてきたんだと、改めて。
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