冷めたパエリアは二人を不機嫌にし関係性を気まずくするが、相手を恨み憎み自分を卑下してまで羨んでも一旦冷めてしまったものは仕方ない。
人生に意味を求めて模索するのも良し、そもそも人生に意味なんて無いと思うならそれもまた良し。
現実を受け入れられず無意味な幻想に囚われ続ければ、苦悩に満ちな永遠の迷い人と成る。
情緒不安定な主人公と物語の展開の歯車が噛み合ってないように思え若干の退屈さは否めないが、計算された細かい構図や絶妙なカメラワークや色彩感覚は〝ペドロ・アルモドバル〟の真骨頂。
誰しも人には言えない秘密は有るものだが、決して〈鈴なしの迷い牛〉になってはいけない。
人生に意味なんてないんだと思えば少しは楽になれるだろう。
冷めたパエリアでもちょっと工夫したり思考を転換して見れば、なんて美味しいパエリアなんだと気づき人生なんて、人生なんて..★,