松原慶太

死の真珠の松原慶太のレビュー・感想・評価

死の真珠(1944年製作の映画)
3.3
1930年台から40年代にかけて14本が作られた、ベイジル・ラスボーン主演によるハリウッド版シャーロック・ホームズものの1本。

ベイジル・ラスボーンはジェレミー・ブレットが出てくるまではもっとも人気のあったホームズ役者のひとりで、「初歩だよ、ワトスン君」の決め台詞は彼が広めたとされる(原典にないこの台詞を最初に考案したのはドイルと同時代の舞台役者ウィリアム・ジレット)。

本作は原典の「6つのナポレオン像」をもとにしたストーリー。起承転結を入れ替えたせいで、原作のユーモラスな面白さはスポイルされている。

昔の映画なので、切れ者のホームズ(ベイジル・ラスボーン)、三枚目のワトスン博士(ナイジェル・ブルース)、引き立て役のレストレード警部など、役どころがハッキリとしている。

ストーリーテリングも退屈で、いま観て面白いとは言いがたいが、分かりやすいサスペンスで、当時人気シリーズだったのも頷ける。
松原慶太

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