おさるのじょじへい

オペラ座の怪人のおさるのじょじへいのレビュー・感想・評価

オペラ座の怪人(2004年製作の映画)
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フィギュア題材未鑑賞シリーズ・第三弾。

いわゆる『オペラ座の怪人』の音楽と言えばミュージカル版ですが、とりあえずわたしはシネマにて。
かつて村上佳菜子ちゃんが今作の音源でショートはクリスティーヌを、フリーではファントムヌを演じていた記憶があります。その他にもぱっと思い返しただけでも、大勢のスケーターがオペラ座…を題材にしていて、右手で顔半分を覆ってファントムを演じていましたね。人権の面から考えたら、決して快き仕草ではないのでしょうが、ポーズとしてはとても決まるんですよねぇ。羽生くんも無良くんも。

自分でも驚くほど、アンドルー・ロイド・ウェバーの音楽にはまってしまいました。登場するどの曲も心を捉えて離さないのです。ここ1ヶ月ほど飽きることなく、ずっと音源を聴いています。最近はとうとう自ら歌い始めてしまいました。止まりません。
また、他のミュージカル女優さんと比べると、エミー・ロッサムの声は柔らかくて優しくて、今作で描かれた穏やかなクリスティーヌにぴったり!優れた音楽(作品)というものは、受け手までもが無意識のうちに受け継けついでいくのかもしれないと思いました。

オペラ座…は何度も映像・舞台化がされていますが、どれも微妙に設定やストーリーが違うとのこと。
今作ではファントムが酷く虐げられた生い立ちというシナリオだったためか、やや彼の肩を持ってしまった気がします。散々悪事は働いているのに…。判官贔屓かなぁ。今作の演出ならば、クリスティーヌがファントムに惹かれてしまう感情に共感しやすいはず。
ファントムに人間味を感じたからこそ、“怪人”と訳されていることに抵抗感を抱きました。“幽霊”と訳す分にはミステリアスな雰囲気でいいのですが、怪人とされてしまうと、ファントムだって人間なのに…と思っちゃうわけです。歴史ある名作に対し、今さら何を…と言われそうですけど。

せっかくなので、今作以外のオペラ座…も観てみようと思います。
そう言えば若い頃。オペラ座…を翻案したとは知らずに観た『夜半歌聲』を、えらく気に入ったことを思い出しました。時間が流れても人の好みとは、そう変わらないものなのかも(苦笑)。