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ブラック・レインのこーたのレビュー・感想・評価

ブラック・レイン(1989年製作の映画)
4.2
日本とハリウッドが贈る和洋折衷映画。
米国で起きた日本人殺人事件、松田優作演じる凶悪犯・佐藤を日本まで連行することになったNYの刑事。単なる殺人事件ではなくそこには日本ヤクザも絡めた組織犯罪が絡んでおり、土地勘もなく日本警察からの協力も得られないニックたちは捜査に大いに苦戦する。高倉健演じる松本を唯一の味方とするが、相棒チャーリーも犠牲になり、ついにニックは手段選ばずに行動をとり始める。
英語話者の圧倒的少なさや警察のお役所感、NYの刑事からしたらそりゃ苛立つよな。ディテールを含めて脚本家、日本をめちゃ取材したか、住んでたかレベルの理解を感じました。東京じゃなくて大阪なのもまたカルチャー出ててよい。ネオン街の雰囲気も◎。
戦争の傷を引きづりつつも、経済成長を続ける日本の時代感。本作では極道の親分ですらまた、戦争の面影を漂わせる姿は人間味がある。単なる悪者としてではなく、戦争やGHQの生んだ末路的な側面を盛り込んでくれたくれたことは当時カタルシスを生んだのでは。極道と交わるガイジンは新鮮で、ニックもまた仁義を通す行動をしていた。
creepy nutsの、時として主役を喰っちまう松田優作の意味がやっとわかった…。
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