ツクヨミ

ブラック・レインのツクヨミのレビュー・感想・評価

ブラック・レイン(1989年製作の映画)
4.9
嘲笑ってくる狂気なヤクザとそれを追う刑事.リドスコすぎる大阪ビジュアルの凄み。
リドリー・スコット監督作品。午前十時の映画祭にて鑑賞、新作も公開なのでまさにベストタイミングでやってたこちらをチョイスしてみた。
まずオープニング、赤いビジュアルが黒と丸赤になり次第にパラマウント→丸い造形に変化する"レイダース失われたアーク"のオープニングみたいな流麗さにまずやられる、そして疾走感あるバイクツーリングから裏路地バイク対決になる勢いからエンジン全開になる良い流れがマジで熱い。あとエンディングの赤文字で"完"と左右に"the end"もかっけぇ。
そんな流れからマイケルダグラス扮する熱血刑事の過去が見えカフェ兼バーでの松田優作の凄みにめちゃくちゃ惹きつけられてしまう、なんと凄みとやばい雰囲気がバチバチな敵役だろうか。すると王道ながら追う者追われる者の対立構図が展開、今回もしっかりリドスコの作家性が炸裂してた。
まあ本作言うなればノーラン"ダークナイト"みたいなやべぇ悪役とそれを追う主人公の対立構図が全編を包むどシンプルさがキレッキレ、改めて自分はこういう対立構図が好きなんだと再確認。逃げつつも一人また一人と殺人を重ねる悪役.それを見て怒りと復讐を募らせる熱血漢という王道構図よ、ちょっと変化球ながら"プレデター"と"プレデター2"や"オールドボーイ"なんかも似た構図だと思うと納得してしまう。いやしかしこういう話はキャラが大事なんだが、松田優作の悪役は"ダークナイト"のヒースレジャーに負けず劣らずだし、マイケルダグラスのなりふり構わない熱血ぶりも"プレデター2"のダニーグローヴァーに負けてないぞ、まさにこういう対立構図なら最高のキャスティングかもしれない。
あとは"ブレードランナー"ばりにごちゃごちゃした大阪ビジュアルも最高だし、室内や田舎ビジュアルもリドスコ印の光刺しまくりでクラクラしちゃう。ストーリーだけでもお腹いっぱいなのに眼福な背景美に痺れまくってしまう、リドリースコット作品の中ではトップクラスに好きだなぁ本作。
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