爆裂BOX

ドール・メーカーの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

ドール・メーカー(2017年製作の映画)
3.1
「チャイルド・プレイ」や「フライトナイト」のトム・ホランド監督によるサスペンスホラーです。
「ドールメーカー」の異名を持つ連続殺人鬼ピーターが逮捕され、精神病院で電気ショック治療などを受けて退院して生まれ育った家に帰ってくる所から始まりますが、主に家に戻って来て過去のトラウマによる幻覚や幻聴に悩まされるピーターと、記者と偽って彼に近づいてきた姉が最後の犠牲者になりそれを機に人生が狂った女性とのやり取りなどが描かれるドラマ重視の内容で、前半でホラーっぽいシーンは冒頭のピーターによる最後の犠牲者への凶行シーンくらいですね。一応、不穏さを感じさせるシーンはあるけど、上記のドラマ部分がメインで描かれるので結構中弛みは感じましたね。精神病院での治療を終えて帰ってきた元殺人鬼の周りで不穏な事が起き始めるという設定や展開は、トム・ホランドが脚本で参加していた「サイコ2」彷彿させますね。
治療が終わって帰ってきたピーターだけど、JKのパンチラ見てぼうーッとした顔で見つめ続けたり、ヒロインとのやり取りの中でもサイコな一面見せたりと全然直ってないじゃんと感じさせる描写多いです。ただ、ピーター役の俳優がイケメンすぎてサイコキラーの異常な感じやキモさはあんまり感じられなかったな。ドール―メーカーという異名の割には人形にこだわりを見せるシーンはそんなになく、どちらかというと原題通り被害者に強要するじゃんけんの方がこだわってた感じですね。過去の犠牲者にもじゃんけんで負けたら殺すと言ってましたし。まあ、後だしで喝からじゃんけんにもたいして意味ないけど。
マイケル・マドセンがピーターに執着して見はり続ける鬼刑事役で出演してますが、特に活躍することはなかったな。また、ピーターの主治医の精神科医役でテイタム・オニールが出ています。
後半では再び殺人鬼として覚醒したピーターと復讐に燃える女性ジャーナリストとの攻防が展開されたりしてそれなりにハラハラできました。終盤で衝撃の事実も明らかになりますが、正直途中で読めました。ガソリンスタンドでマドセンの前に現れた時、それまでとキャラ違い過ぎたからなぁ。アイツはピーターが捕まってる間どうやって生活してたんだろ?あれだけ顔似てたら噂くらい立ちそうだし。赤ん坊の時に死んだ事になってるって設定とか複雑な背景ありそうだけど、本編でのシーン見る限りでは犠牲者連れ込んで殺しはピーターにやらせたり純粋悪な危険人物な感じだけど。
最後の展開も強引すぎるというか、あんなに大ぴらに人殺したら逃げられないでしょ。逃げる気ないのかもだけど。最後もそこで終わるかという感じですね。
エンドロールの後のマドセンダンスは一体何だったんだろ?この映画で一番の謎シーンでした(笑)
個人的にはそんなに悪くなかったけど、80年代の様な古臭さは感じる作品でしたね。スマホ出てこなきゃ現代の話と思わなかったかも。