mizuki

劇場のmizukiのレビュー・感想・評価

劇場(2020年製作の映画)
4.7
この映画である程度帰結する幸福にめちゃくちゃ共感。特別な存在になることや、特別なキラキラした日々が幸せだとされがちだが、それは憧れている側から見える虚像。どんな境遇だって、なんでもない日常を噛み締めながら生きるのが幸せなのでは?という考え。大事な人たちが好きな場所、食べ物、音楽、本などを各々大事にすることで、ありきたりに見えるけど実はオリジナルな人生が生まれるのではないでしょうかーー。

才能があるとかないとか考えず、好きならば突き進みましょう!突飛なことを考えることだけが才能ではない。ありきたりなことというのは、大事だからありふれているのだと思う。リバイバルするのだって才能だよ。思想は輪廻転生する。先人たちの素敵な思想をちゃんと受け継ぎ、後世の人間にも残せますように。わたしもそれに協力したいなあ。「才能ないんじゃない?」という言葉を真に受けないでーーー、真に受けたら負けなんて罠だろ、とは思うけど。

『さよなら、私のロンリー』でも思ったけど、演技・嘘は、完全に非現実なものなんて一つもないんだと思う。人が思いつく嘘は、人の脳から発しているのだから現実の経験や願いが大きく影響する。空事はいつか現実になるかも。逆に考えなきゃ現実にならないでしょ?いっぱい嘘つこう、演じよう、願おう。
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