自分では何もしないのに、やたらとプライドだけが高い典型的なダメ男を山崎賢人が熱演する。
何がひどいって、彼は他人の人生を吸い尽くすことで生きているっていうところ。僕のまわりにもそれなりにダメな人はいたけれど、ここまでのクズはいなかったかも。
でもこんなにダメな人でも、最後はなんとなくウルッときてしまう。
多分それは、ここまで酷くはなくとも、自分にもそれなりにダメな時期があって、その当時の言動に後悔する自分を重ねるから。
途中、主人公はやや改心する素振りを見せるが、誰がどう見ても遅すぎる。
でもこの世界のわりとほとんどのことがタイミングの問題だと思う。
どんなにいいことだって、タイミングが悪いと最悪の結果を招くことも。(ブラックビスケッツはいい歌を作ったなぁ…)
よく、自分だけは自分の味方でいてあげて、って言葉を聞くし、それは正解だと思う。
でもそれが結果として誰かを傷つけてしまうことだってあると認識するには最高の映画。
そしてどんなに酷い生き方をしていたとしても、自分の人生は自分の劇場であり、そこで何を上演するのも自由。
どうせならいい演目を上演したいものですね。
