ぴろぴろ

劇場のぴろぴろのレビュー・感想・評価

劇場(2020年製作の映画)
3.8
「人の意見を聞きたくなさすぎ病」 か。  
皆んなそういうとこ あるけどさ。
“わがままは男の罪 それを許さないのは女の罪”と歌ったグループがあった。  題名に“スニーカー”という単語が入っていて。  この2人を見ていて、この歌詞が浮かんだ。  沙希は女神の様に許していたけど、自分は少しずつ崩壊しながら。
惚れた弱みなのか、売れない演劇青年ナガクンをメンタル、物質面で必死に支えながらも少しずつ壊れていく心優しい女、沙希役を松岡茉優が熱演。
優しさを素直に受け入れられず、すぐにキレたり反発し、お金も実力もないけど理想だけはあって、嫉妬もあって、他人に弱さを見せられない、でも他人の評価はとても気になるプライドだけは高い男、永田を山崎賢人が好演。
今にも壊れそうな危うい2人が、他人から見ていたら「別れちゃえばイイのに」っていう2人が、目立たない世界で夢を追って、生きている。   追う夢は違っても、ここまで酷くなくても、誰かに依存しながら自分中心に過ごした時間は、いつか振り返ったらどう映るのだろう。
冒頭で書いた歌は
“若かった 何もかもが あのスニーカーはもう捨てたかい” と続く。
令和の時代に昭和の歌の世界観、人の感情、若気の至りは時代が違っても変わらないのかな。
この映画はラストがとても好き。
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