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ブラック校則のutataneのレビュー・感想・評価

ブラック校則(2019年製作の映画)
3.2
誰しも校則に理不尽さや閉塞感を感じた事があるはず…

理不尽な校則(という悪)に立ち向かって闘い、自由を勝ち取る映画なのかと思ったら少しイメージが違ったな。
創楽君と中弥がガーっと突き進んで、不満いっぱいの生徒達を巻き込んで革命を起こす様な作品を想像してました。

例えば教師の弱みを握る動画とか、非常ベルの騒動に対して校長が処分を言い出した瞬間、煙が上がったりでそれが無ければ大ピンチ!
生徒会を巻き込んで理不尽な校則を皆んなで "民主的に" 変えられたならハプニングに助けられなくても改革は成功してラストに向かって盛り上がったかなとも思いますが、でも不思議と最後には気分がスッキリしてエンディングを迎えたので、これはこれで良かったのかなとも思います。
とにかく何も悪くない希央ちゃんが退学しなくてよかった。ふと微笑んだ表情が、モノクロームの世界に光が差し込んで、色鮮やかさを取り戻して輝く様で、とても魅力的でした。

それにしても創楽を演じた佐藤勝利くん、中也の高橋海人くんがアイドルらしく、湧き上がってこちらに向かってくる様な「迫力」があったのに対し、それとは正反対に静かにすう〜っと引き込まれる様なこれも「迫力」を醸し出していたモトーラ世理奈さんの存在感に驚きました。
なんだか市川実日子さんに似た雰囲気を感じたのは気のせいかな。。。
大きな可能性を感じたのは私だけでしょうか。

作品はしっかりとしたキャスティングで、最後まで時間を忘れて入り込めました。
廊下に正座させられた生徒達に、掃除の邪魔だからそこどいてと助け舟を出したり、壁の落書きを消すのにペンキをぶちまけたり…掃除のおばさんナイス🧹

ちょっとネガティブなタイトルなのでなかなか見る気がしなかったのだけど、見て良かった。
すっきりとした印象が残る作品でした。
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