映画大好きそーやさん

またねの映画大好きそーやさんのネタバレレビュー・内容・結末

またね(2014年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

わずか19分の心温まるショートフィルム!
いつも窓越しに顔を合わせるお爺さんとお婆さんを主軸に据えるという、独特な切り口から展開していく本作ですが、2人の関係性がとにかくもどかしく、観客の心を冒頭からヤキモキさせてきます。
恋愛関係とは少し違う曖昧なつながりは、一緒に授業を受けていたり、会社で共に働いていたりする知人や同僚のそれに近いように感じました。
別に仲がいい訳でもないから、込み入った話を交わすこともない。
それでも、なまじ顔は知っているからと、挨拶はする。
そんなどこにでも生まれる関係性に降りかかる、年齢という名のある種のギミックが、物語を大きく動かしていきます。
変わらない日常など有り得ません。
日々なにかが起こって、明日には昨日までの常識が通じなくなっていることだって、ない訳ではないのです。
だからこそ、日々の1秒1秒がかけがえのないものであり、行動一つ取っても大きな変化を生む可能性を秘めていると言えるのではないでしょうか?
そんな当たり前とも言える根底を忘れてしまっているのなら、登場人物が魅せた優しさに胸を打たれる人は少なくないはずです。
この映画を観ることで、そういった問題意識を今一度呼び起こしてみるのも、豊かな時間につながるかもしれませんね!