絶対的な味覚があっても程々ができないグイドと、腕のいいシェフながらアンガーコントロールが苦手なアルトゥーロ。
「言い回しも少しは覚えろ」
「適量とは自分で決めた量だ」
優しく手取り足取りとは程遠い、
料理を教える側のアルトゥーロが
とうに忘れていた人として大切な色々を
グイドと関わることで教わってゆく。
そしてまた。
仮免だけの知識でハンドルを握らせ、
男同士の話で笑いこけ、
コンテスト決勝戦の無謀な選択に背中を推す、みたいなことは
荒くれなアルトゥーロにしかできなかっただろう。
肉体的接触が苦手だったグイドが
ちょっとしたタッチを受け容れてゆくように、人と人との関わりが全てこんなふうだといいなと改めて思った次第。