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ワイルド・ウエスト 復讐のバラードのHKのレビュー・感想・評価

3.7
アマプラで初めて存在を知った西部劇ですが拾い物でした。
聞いた事ないし知ってる俳優もいないようだし、ひょっとしてTV映画?と思ったらちゃんと劇場用映画。でもやっぱり日本では劇場未公開でした。

原題は“The Ballad of Lefty Brown” (エンディングで初めて出ます) おっ、ペキンパーの名作“ケーブル・ホーグのバラード”を髣髴とさせるタイトルじゃないですか。
それなのに“ワイルド”だの“復讐の~”だの見飽きたワードのテンプレ。近年の西部劇の邦題は西部劇をナメてるとしか思えないものが多いですね。

しかもこの邦題から王道の痛快西部劇を期待した人はこの異色のテイストにとまどったり、ガッカリしたりするかもしれません。だからタイトルは大事なのに・・・
ちなみにタイトルが似ている過去のW・スミスの残念な作品とは何の関係もありません。

で、本作はどこが異色かというと、まず主人公が強くないし年寄りだし、そのうえ頭も弱そうで周りからも馬鹿にされていて頼りないことこの上なし。
まるで老けて体力も落ちたフォレスト・ガンプが牧場で働いているというイメージ(ちょっと言い過ぎかも)です。
そんな主人公が親友を殺されて仇を討とうとする話なんですが、こんな主人公は見てて痛々しいしイライラするしスカッとしないから嫌だという人もいそうです。

この頼りない主人公のレフティ・ブラウンですが、顔中が白髪と髭だらけで知らない役者だと思っていたら、なんとエンド・クレジットでビル・プルマン(当時64歳)と判明!
あの『スペース・ボール』のローン・スターや『インデペンデンス・デイ』の大統領なんかをやってた人ですね。知ってから見てもホントに?というレベル。

また、ピーター・フォンダ(当時77歳)にちょっと似ている人が出ていると思ったらやはりエンド・クレジットで本人と判明。こちらもまた白髪と髭だらけでしたから。

万人におススメの映画とは言いませんが、西部劇好きならスルーするのはもったいなく、今の風潮に媚びない反骨精神を見せてくれる作品でした。
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