1957年から始まった中国の反右派闘争において多数の餓死者を出した夾辺溝の収容所からの生還者へのインタビューを通し歴史の闇を明らかにするーーー8割はインタビューから成るこの映画、実際字幕を読んでいるだけの時間も長かったのだけれども、それは映画的欠点を意味しない。
歴史的証言者の息遣いを「観る」「聴く」、そして歴史に興味を持つ、そのことがこの映画の主目的だろう。つい政治的、歴史的企図から外れた部分を語りたくなるが、その重要性は書き留めておきたい。
ラストのゴビ砂漠に置かれたものは少々作為的ではあるものの、生の証言の行き着く先としてのショッキングさは否定できない。