バランシーン

Mank/マンクのバランシーンのレビュー・感想・評価

Mank/マンク(2020年製作の映画)
3.4
白黒なんですよね…。リリー・コリンズの可愛さをカラーで堪能させてくれよ、と(笑)

すっかりネトフリ専属作家となってしまったフィンチャー。フィンチャー好きとしてはモジモジしてましたが、一念発起してネトフリ課金始めました。このモンクとザ・キラー観たさなんですけどね(苦笑)
そこまでして観た本作ですが…作りは凝ってますし、モノクロなのもいいでしょう、市民ケーンリスペクトも分かる、でもやっぱり最後までどこに視座の中心を定めて観ていいのか分からなかったですね。

多分、なぜマンクがハーストに喧嘩を売ったのか?が、本作の核なんだと思うんだけど、うーん…結局僕的には響かなかったですね。薄っすらと対権力とか、1934年の選挙にまつわる諸々みたいな話が差し込まれてくるんだけど、いかんせんマンクの感情の核心に迫る描写がないので、本当にただの道化にしか見えなくもなく、また市民ケーンの脚本自体も結構アッサリ書き上がっちゃって映画内的に傑作が生まれた、的なカタルシスが一切ないのも気になりましたね。
正直、作内ではハーストもマリオンもちゃんとしたヤツらだし。感情の置き所に終始困る作品でした。

メディアの横暴とか、フェイクニュース(アナザー、ポスト・トゥルース)みたいな切り取り方も出来るのかもしれないけど、フィンチャーらしい計算された悪意とか、寓意性もなく、ゲイリー・オールドマンの孤軍奮闘が印象的。フィンチャー作品としては最もスカされた感じでした。
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