ひでG

Mank/マンクのひでGのレビュー・感想・評価

Mank/マンク(2020年製作の映画)
3.8
Netflix制作。配信会社が作った作品第2弾

これもサブスクの特徴が表れた映画です。

世界最高映画に選ばれたこともあるオーソン・ウェルズの「市民ケーン」誕生秘話。
「市民ケーン」の共同脚本家マンキーウィッツのお話。
オーソン・ウィルズは最初と最後の方の2回しか出てこない。

マンキーウィッツを演じるゲーリー・オールドマンが全編出ずっぱり、しゃべりぱなし。
正直、彼のトークの量の多さと毒の強さにヘキヘキ気味で、その影響てあまりお話が入って来なかった。
なので、もう一回観た。2回目は吹替版で。

映画は、1940年とその10年前の2つの時代を並列に描いている。
1930年代、ハリウッドではトーキー映画が軌道に乗ってきた頃、大手の映画会社では、複数の脚本家がアイデアを出し合い脚本を仕上げているのだが、そこには常にお酒と賭け事が蔓延っていた。

主人公のマンクも常に酔っ払って、常に誰かと絡んで皮肉か毒舌を吐いている。

でも、当時マンク以上に癖が強く、灰汁も悪も強い人物が登場する。MGMの社長アービン・タルバーグだ。彼はスタッフの賃金カットを行う為に猿芝居を打ったり、州知事選挙で共和党が勝つように嘘のニュース映画を制作する。
そんな会社に納得いかないマンクは、全てを吐き出す😅

もう一つ怪我とアル中によりベットに寝たきりの1940年のマンク。若き映画作家オーソンとの契約により、新作の脚本を別荘にこもって書いて(書かされて)いる。
セリフにはないが、この10年前の出来事が「市民ケーン」の骨子になっていったのは間違いない。

2度目の鑑賞では、この辺りのからくり?が分かってきて、この映画の面白味を見つけることができた。

本作はアカデミー作品賞はじめ10部門でノミネートされた。今回観て、作り手も受け手(観客)もとても配信向きだなと感じた。

そもそもハリウッドが当時完無視していた「市民ケーン」噺を作ることはなかなか考え難い。 
観客(少なくとも僕)は、予備知識がないと一度で理解は難しいかな。

正直、ベットの上で止められていたお酒を飲んだり、秘書に大量のタイプを頼んだり、とマイペースで脚本を書いて行くマンク。

残念ながら、僕はそこからあの「市民ケーン」のお話の基ができてきたとは見えなかったな、

「市民ケーン」をもう一度見直してみたくなりました!
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