ぴんゆか

FREAKS フリークス 能力者たちのぴんゆかのレビュー・感想・評価

3.4
音楽といい雰囲気といい、バックトゥザ・フューチャー始めとする80年代SFを見た時のような懐かしいのに新鮮な気分になれたのが良かった。
さすがはスピルバーグが認めた監督だけある。

題材としては何ら新しいものではないような気がするが、近年の某スーパーマン系映画のようなやたら派手な演出や詰め込まれすぎたCGなどがなく、安いホラー映画のように始まるせいでかえって新しく感じられた。

特に冒頭のアイスクリーム爺さんは児童誘拐が特に横行した時代の怪しい雰囲気があり、色々な事を彷彿させて本当に気味が悪く、一杯食わされる感がある。
それだけにそのあとの展開にあれれとなるが、子役の存在感もものすごいのでそんなに気にならず気づいたら次に進んでいる。

世界が真っ二つに割れて、自分が迫害されるような立場になった時、人はどうするのか。
祖父のように全てをリスクに取っても自分の目的を達成しようとするのか、父のようにひっそりと隠れ生きるのか。

そのどちらをもとったともいえず、自分が自分のまま生きていい、それを邪魔するものは容赦なく抹消というような結論になった主人公は正直恐ろしいし、いかにもZ世代。
けれど結局世の中はずっとこの繰り返しで、迫害された者はその仕返しに生き、支配層になった途端ちゃぶ台をひっくり返すというような事が今も続いている。

こんな終わり方をするSFもなかなかないのでその意味でも見る価値あり。

個人的には爺さんが有能で奇妙でいいキャラだったのでなんで最初に瞬間移動しないんだ、はやく撃たないんだ、生き延びられただろとそこが不満。とにかく不満。
ぴんゆか

ぴんゆか