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WAR ウォー!!のmatchypotterのレビュー・感想・評価

WAR ウォー!!(2019年製作の映画)
4.3
《インド界隈の映画》、Vol.12。

周りに面白いと聞かされていたが、そう言われて期待しちゃっても充分楽しめた、面白い。

歌と踊りがない系かと思いきや、ものすごい展開からものすごいキレの良いものをガツっと確実に入れてくる。すごいなこのキレ。

そして、ゴリゴリの潜入捜査と裏切りと、ジリジリした駆け引きと、タフなアクション。

アクションのアングルとか、ここぞとばかりのエレキギターキュイーン系のトラック。
躍動感と本当に誰かケガしてるんじゃないかと思えるほどの圧倒的な動き。最初の10分ぐらいでグイグイ引き込まれる。

キャラの設定とか、立ち振る舞いとか、セリフの吐き捨て具合とか、何から何まで画になるカッコ良さ。

その上で、このしなやかな身のこなしとタフなコンバットをスローモーションや縦横無尽なアングルを駆使する。完全にエンタメとしてのドラマチックさの“魅せ方”を熟知してる。

さらに、熱気が画面から飛び出てきそうなほどの爆破だったり、そうかと思えば微妙にコミカルなシーンを入れてみたり、ここぞとばかりに壮大な音楽かけてみたり、テンポのリズミカルさなど、見た目も話も緩急が良い。

スゴい熱気と振れ幅とエネルギーと切れ味。話も普通に面白い。

父親の裏切りを知る息子。
その父親を裏切り者として殺した同僚。

その息子と同僚が色々飲み込んで師弟関係に。最初の試練を乗り越え信頼関係が芽生える。
やがてチームになり、インド最大の犯罪組織のボス“イリヤシ”を追う。

しかし、とあるミッション中に師匠の方が裏切りを働き、身内を殺し、姿を消す、、、。

師匠との関係や苦楽を共にした過去に思いを馳せながら、師匠の行方を追い、師匠の行動の理由を暴き、この一連の陰謀を正さんとする弟子。

本当に陸海空、アクションが色んなシチュエーションとパターンに溢れてて、毎回楽しめる。
殴り合いもあればパルクールやスタント的な追いかけっこもあり、バイクチェイス、流れるような展開。なのに、一撃一撃も重い。

「何があったんだ」と戸惑いながらも、再びお互いが近づきかつての師弟が敵対構造で確実に対峙せねばならない展開に。

そして、師匠には師匠の事情や狙いが垣間見えていき、、、。
この2人がどうなっていくのか、過去も現在も何が起きてるのか、この2人の乱舞する“師弟関係”、なかなか目が離せない。

もう描いてる方もこの“師弟関係”と裏切りの筋書きを逆にギリギリで混濁してるんじゃないかと思うほどの骨太さ。
ボリウッド映画、エンタメ映画として、かなり完成度高めの映画。

似たジャンルだとこの企画で観た『サーホー』が近いが、キャストの知名度や好き嫌い以外は色んな点においてこっちの方が偏差値高い。

というか、ボリウッドで閉じずに世界水準でも十分戦える、いや、戦うべきクオリティ。


F:1855
M:944
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